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ウコン(鬱金)の効用について

ウコンの歴史と原産地

ウコン ショウガ科 クルクマ属の多年生植物で50種類以上ある。主に南アジア・東南アジアを中心に熱帯~亜熱帯に広く分布。 肥沃な土壌、高温多湿、連作を嫌う
原産地 一般にインド亜大陸と言われ、インドにアーリア系民族が定住し始めた紀元前2000~1500年頃には栽培され、様々に利用されていたものと考えられる。 根茎が、薬剤・調味料、及び染料など広く役立つことがその当時から知られ、ビルマ・ベトナム・タイ・マレーシア・インドネシア・スリランカ・中国・台湾など熱帯、亜熱帯アジアの全域に伝播した。
歴史 日本への伝播経路は明確ではないが、ウコンが薬として知られるようになったのは、「室町時代以前」からのようである。 沖縄にウコンが上陸したのは、シャムと盛んに交易を行っていた1425年~1570年の間(推測)琉球王朝時代 1646年このウコン(通称 秋ウコン)の専売制度を採っていた。沖縄地方では、方言名で「うっちん」と呼んでいた。
地域の伝統医療 インドの「アーユルベーダ」、インドネシアの「ジャムー」、中国の漢方、日本の「和法」で長く使用され続けている。 肝臓病、胃腸不振、利尿、喘息、婦人病、歯痛、さらにはシミやそばかす取りといった美容にも使われていた。 中国には薬草の性質を詳しく調べて記録した「本草書」に、ウコンには消炎・鎮痛作用、健胃・利胆作用、 破血・活血作用、活血・行気作用などの効用がある。 (破血・活血作用とは滞っている血のめぐりをよくすることであり、活血・行気作用とは血のめぐりを よくして気の流れをよくすることを意味しています) 明の時代、李時珍が1578年『本草綱目』を完成。ウコンについての記録は『味は辛く苦し、寒にして毒なし。主冶は心腹の血積 (逆上して鬱血すること)に気を下す。肌を生じ、血を止め、悪血を破る。血淋、尿血、金瘡(切り傷)を治す

ウコンの種類

通称 秋ウコン 春ウコン 紫ウコン
学名 クルクマロンガ (Curcuma longa L) クルクマアロマテイカ (Curcuma aromatica Salisb) クルクマゼドアリア (Curcuma zedoaria Roscoe)
呼称 ウコン、ターメリック 姜黄(キョウオウ) ガジュツ
秋に白い花 春にピンクの花 晩春に紫の花
裏側ツルツル 裏側ビロードのようにザラザラ 葉中央の縦にクロっぽい筋
切り口 濃い橙色 黄色 薄紫色
苦味は弱いが独特の香り 苦味が強い 苦味が種類の中で一番強い
主な効用 肝臓、二日酔い、ガン予防 心臓、健胃、血液の浄化 血液、胃もたれ、食欲不振
特徴 肝臓に良いと言われている クルクミンの量は春ウコン10倍以上 クルクミンの量は0.3%で 少ないが、精油成分があり解明途上だが、新たな薬効が評価されつつある クルクミンは含まないが、 薬効の高い精油成分が豊富に含まれ、 昔から胃腸薬の原料として良く知られている

ウコンの薬理作用

(国立衛生研究所による分析成分と主な作用)
クルクミン(黄色の色素成分) 肝臓の働きを強化し、胆汁の分泌を促進し、利尿作用がある
フラボノイド 抗出血性ビタミンPの作用がある
カンファー 神経の興奮作用、強心作用をもつ精油成分
アズノン 炎症や潰瘍を治し、胃液のペプシンを抑える作用がある
シネオール 健胃作用、殺菌作用、防腐作用にすぐれた効果を表す成分
※クルクミノイド: クルクミン、デメトキシクルクミン、ビスデメトキシクルクミンの総称

ウコンと抗酸化作用

ウコンと活性酸素 「鹿児島大学・健康家族共同研究」の報告 酸素は呼吸によって体内に取り入れられる。 その数%が他の物質と反応しやすい酸素に変化。「活性酸素」 適 量:体外から侵入の細菌やウイルス等を攻撃し、撃退したり、無毒の物質に変換する重要な役割、身体を守る。 過 剰:逆に正常な細胞や遺伝子、血管内壁、内臓まで傷つけ、シミ、そばかす、老化などの症状から、 生活習慣病や発ガンなどの病気をも引き起こす原因となる。 活性酸素はストレス、過労、喫煙、化学物質、電磁波、紫外線など様々な要因で増加 しかし、体内には元々防備機構としてSOD(スーパーオキシドデイスムターゼ)などの生体内酵素が働いている。 この酵素は加齢とともに減少し、また個人差がある。 抗酸化作用とは、細胞にダメージを与える活性酸素を除去する作用。 三種類のウコンの中で秋ウコンが最も抗酸化作用が高い。と報告
アンチエイジング(抗加齢医療) 女子栄養大学栄養学科研究所が実施した様々な野菜の抗酸化力測定で実証されたウコンの抗酸化力は、 他の野菜よりとび抜けたパワーを示し、食品防腐剤に使用されている酸化防止剤BHAより抗酸化力があることが解った。

ウコンと肝臓

クルクミンが胆汁の分泌を高め、肝臓の細胞を活性化させる。 胆汁は十二指腸に分泌される消化液ですが、その胆汁をつくっているのが肝臓です。 胆汁の出がいいということは肝臓が元気に働いている証拠であり、ウコンによってその胆汁の分泌が盛んになり、 肝臓そのものの働きが活発になっていくということです。
肝臓 成人の肝臓の重さ 約1kg~1.5kg、体重の約50分の1に相当、体の中の最大の臓器、およそ3000億個の細胞、 この臓器のなかで約2000種類以上の酵素が働く 「体の中の化学工場」、  一日に約1Lの胆汁が合成され、脂肪の消化吸収 肝臓には動脈や静脈から大量の血液が流れ込み、一日に通過する血液の量は約2160L (1升瓶換算でおよそ1200本分, 赤ワイン720mlボトル3,000本に相当)。 また、門脈という独特の血液循環路あり、胃や腸から吸収された栄養分が肝臓に運びこまれる。
働き 代謝 : タンパク質 → アミノ酸 → タンパク質 炭水化物 → グリコーゲン → グルコース 脂質 → 中性脂肪 → コレステロール
解毒とは、体の中で生み出された有害な物質を「酸化・還元」や「抱合」(他の物質に包み込んでします)によって水に溶けやすい形に変え、 尿や胆汁の中に組み込んで、体の外に排泄させる働きを言う。
アルコール → アセトアルデヒド → 酢酸 → CO2 + 水 (多量のアセトアルデヒド →二日酔い)
食品添加物、薬物、タンパク質がアミノ酸に分解される時に発生するアンモニアなどを分解、無毒化 胆汁の合成と分泌 胆汁は脂っこい食べ物を食べた時、消化するために胆嚢から分泌される消化液 胆汁の原料:水分、胆汁酸、コレステロール、リン脂質、脂肪酸、ビリルビン 胆汁の一日の分泌量は約1Lにのぼり、濃縮されて胆嚢に貯えられ、脂肪分の消化吸収を行うため、胆管を通じて十二指腸に放出されている

発酵ウコン

発酵:乳酸菌などのさまざまな微生物を用いて、それらの微生物の餌として、 サトウキビの精糖過程で出来る「糖蜜」などを使用して発酵させる。 発酵前の秋ウコンと比して
1. 抗酸化作用 50%アップ
2. 発酵+天然素材で抜群の吸収力
3. 苦味と匂いを抑え、美味しく飲みやすく

ウコン関連学術論文集(抜粋)

○ 発酵ウコンの抗酸化性に関する研究  1998年南方資源利用技術研究会 琉球大学農学部 本郷富士彌、他
ウコンを発酵することにより、その独特の苦味をなくすだけでなく、大幅にミネラル分が増加し、 通常ウコンの約1.5倍の抗酸化性を持つことがわかった。
○ カレーのスパイスであるクルクミンのアルツハイマー病予防効果 The Journal of Neuroscience, 2001、 カルフォルニア州立大学 G. Lim 他
ウコン多摂取のインド高齢者はアルツハイマー病になる確率が欧米よりはるかに低い。 クルクミンに脳内神経繊維の老化をもたらすアミノイド蛋白質を減らす効果を確認。
○ マウスの表皮の発ガンに於けるクルクミンの抑制効果 1992年米国化学学会 オハイオ州立大学 F. Robertson,他
クルクミンに結腸癌、十二指腸癌の抑制、過酸化脂質、喫煙によるDNA障害予防効果があることが知られるが、 論文では表皮癌の抑制効果を確認。
○ 放射線被爆によって発生する腫瘍の予防 放射線科学 Vol.44 No.9 2001 放射線医学総合研究所 稲野宏志
ラット試験でクルクミンに、放射線障害による乳癌のイニシエイション、プロモーションの抑制効果を確認。 クルクミンは毒性が少ないためヒトへの応用も可能であろう。
○ 食品黄色色素クルクミノイドの吸収代謝と体脂肪蓄積抑制作用 Foods Food Ingredients J Jpn 2003、東北大学大学院 宮沢陽夫、他
ラット試験の結果、食品成分として摂取したクルクミノイドが、ヒトの体内でも脂肪の蓄積を抑制する 機能性分子として働く可能性を有していることを示した。

ウコンに関する最新医学論文

●アルツハイマー病予防効果 米国カリフォルニア大学ロスアンジェルス校が「ウコン(ターメリック)のクルクミンがアルツハイマー病予防に効果ある」 ことをラット試験で実証したことを発表。(October 31,2003)概要は以下。
★ ウコン(ターメリック)を多く摂っているインドの高齢者は、あまり摂っていない欧米の高齢者に比べ、 アルツハイマー病になる確率がはるかに低い。
★ その有効成分はクルクミン。
★ クルクミンが、アルツハイマー病の原因になる脳内神経細胞の神経線維の老化、 老人斑をもたらすアミノイド蛋白を減らす効果があることを実証。
★ 記憶力をよくする効果があることも実証。
●細胞のガン化予防効果 ニュージャージー大学(米国)、オハイオ州立大学(米国)、国立ガンセンター(日本)、放射線医学総合研究所
「ウコン(ターメリック)のクルクミンが、腫瘍細胞の繁殖を防ぎ、腫瘍の成長を阻止する効果を有する。 すなわち、活性酸素などで細胞がガン化するのを防ぐ効果がある。」ことを、 以下のような研究機関がラット試験の実証結果として発表している。
●アルツハイマー病の原因となる物質の生成を防ぐ効果 金沢大学大学院の山田正仁教授(神経内科)と小野賢二郎医師らの研究
アルツハイマー病の原因となる物質の生成を防ぐ効果のあることが、 金沢大学大学院の山田正仁教授(神経内科)と小野賢二郎医師らの研究でわかった。 (2004年9月30日 日本痴呆学会で発表)

ウコンの許容摂取量

● ドイツ薬用植物評価委員会 一日 平均 1.5g-3g としている。(ウコンは同委員会のコミッションEで医薬用植物として承認されている)
● 米国ハーブ製品協会 一日 1.5g-3g お茶としては、 一日 4.5g-9g (植物安全性ハンドブック、Botanical Safety Handbook, American Herbal Products Association)
● JECFA(2003年6月、第61回会議) ウコンの成分である「クルクミン」は食品添加物として再評価され、 クルクミンのADI(一日摂取許容量)は <3mg/Kgbw(Kg body weight)
(FECFA:「合同食品添加物専門会議」=Joint Expert Committee on Food Additives,国連FAO (食糧農業機関)と同WHI(世界保健機構)が合同で開催する会議)

純発酵ウコンの推奨摂取量

体重   50kg 60kg 70kg
クルクミンの一日摂取許容量 (JECFA提案) 150mg 180mg 210mg
純発酵ウコン茶 1.5Lペットボトル摂取許容量 17本 20本 23本
純発酵ウコン粒 摂取許容粒数 15粒 18粒 21粒
純ポケットウコン 摂取許容包数 2.5包 3包 3.5包
推奨一日摂取量 6-12粒 または1-2包      
健康食品は健康維持や予防の役割を担っていますので、毎日定量を規則的に。 「継続は力なり」です。 なお、過剰に長期間摂取し続けると、肝機能は向上するが、その反動でオーバーワークになり、その結果様々な障害を起こす可能性があります。 個人の体質、その日の体調により軟便になることがあります。 その際は量を少なめにするなど、摂取の仕方を工夫してみて下さい。 カリウムが多く含まれていますので、腎臓透析を受けている方や、高カリウム血しょうの診断を受けた方は摂取を控えて下さい。

サプリメント 失敗しないラベルの見方

1. ラベル表示の頭の『名称』をまず見る。
「ウコン食品」(ウコン含有量90%以上)、「ウコン加工食品」(同50%以上)、 「ウコン含有食品」、「ウコンエキス含有食品」といった内容で、「商品名」とは別物。その商品の特性が端的に表現されている。

2.「原材料」を確認する。 原材料は必須記載項目で、使用されている全ての材料が、重量の多い順に書かれている。 食品添加物も材料の後ろに、やはり多い順に書くのが決まりである。

会社名 発酵ウコン株式会社 A社商品 B社商品
品名1 ウコン食品 ウコン含有食品 ウコンエキス含有食品
原材料 発酵秋ウコン(99.5%) ナタネ硬化油(0.5%) 乳糖、ウコンエキス(デキストリン・ ウコン・とうもろこし蛋白)、結晶 セルロース、ショ糖エステル、ウコン ビタミンC,ビタミンE オリーブ油、ウコン濃縮エキス、 ゼラチン、グリセリン、ミツロウ ビタミンE含有植物油
品名2 清涼飲料水 清涼飲料水 清涼飲料水
原材料 発酵秋ウコン 酸化防止剤(ビタミンC) ウコン、玄米、はと麦、ほうじ茶、大麦、 せん茶、アロエ、ウコンエキス、酸化防止剤 (ビタミンC)、ウコン色素、乳化剤 烏龍茶、ウコンエキス、どくたみ、 ルイボス、バナバ、マテ、酸化防止剤 (ビタミンC)、乳化剤
「健康食品」の安全性・有効性情報は独立行政法人 国立健康・栄養研究所のホームページで得られます。http://hfnet.nih.go.jp/main.php にアクセス、「ウコン」で検索できます。